草丛里的蝈蝈

SOMEWHERE IN TIME

二宮和也のIt「一途」第77回 ひとりだち

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ひとりだち


一途な思考は変わらないけれど、

季節がめぐれば、新たな景色が見える。

何かが少しずつ変わっていく——。

今、彼の一途にあるものとは?


取材・文/芳麗 撮影/江森康之

ヘア&メイク/竹内美徳 スタイリスト/伊賀大介(band)


 昨年末から、ちまたでは有名人の結婚報道が相次いだ。それが話題にのぼると、「いい話だよねぇ」となごやかに笑いながらも、「でも、自分の結婚については考えられないな」と続ける。年齢を重ねて、周囲に同世代の既婚者が増えでも、いまだ、興味がわかないのだという

 「オレの中では”結婚”っていいものでも悪いものでもなく、メリットもデメリットも感じられないイメージ(笑)。恋愛は当人同士の話だけど、結婚は家同士のこともあるからね。その分責任もあるし、シビアなものだろうなとは思う。まぁ、自分は今は何も考えてないけどね(笑)」


 では、意識が結婚に向かう時は?

 「どうだろう。もし、相手がいたとしても今は結婚したいとは思わないかな。彼女=結婚相手になるとは限らないし。その子が好きだから一緒にいる。それ以上のことは求めないし、必要ない。そう思う男って少なくないんじゃないかなぁ。オレの場合、もし相手に『結婚して』って言われたら、なおさらしたくなくなるかも(笑)。それって、何も努力せずに『お金ちょうだい』って言うのと同じくらいひとりよがりな価値観だと思う。自分の都合で『お金ちょうだい』って要求してくる人に、誰もあげたいとは思わないでしょ?」


 純粋に結婚を夢見る女子には耳が痛い話だけど、彼らしい筋道の正論

 「仮に、自分の要求どおりにとんとん拍子に結婚できても、理想の結婚生活は送れないかもしれない。そんな事態になった時、その責任は取れるの?責任を取る覚悟もなく要求だけして、相手に頼るつもりなら、その結婚がうまくいくとは思えないな」


 そもそも、ニノが結婚に興味も必要性も感じないのは、心身ともに压倒的に自立しているからだ

 「いろんな人に支えられて生きてると思う。でも、自分から他人に頼ろうとはまったく思わないんだよね。家族や友達に何かしてほしいとか、誰かに尽くしてほしいとか全然思わない。何ごとも自分でやったほうが早いし、ラクだもん(笑)。だから、身近な人に不満を感じたりもしない。嵐のメンバーともずっと一緒にいるのにケンカしたことないし、友達や恋愛だって同じだよ。いつか会わなくなる日がきても、それは、お互いにとって必要のない存在になったから自然と距離ができただけのこと。悲しみとか怒りは生まれない」


 自立して適度な距離を保っているからこそ、ニノの周囲では心地よい人間関係がつむがれている。

 「そんなに誰かに依存しないと生きられない人っているの?別に、依存して生きることを否定はしないよ。そういう人は、依存心を保っていられる環境で生きてきたんだろうから。でも、オレはそうじゃなかった。どこでも自分でなんとかすることが絶対に必要な状況で生きてきたから、自然と自立しただけだと思う」


生きていれば毒はたまるけど、

同時にいいものも増えていく

 二ノの一はひとり旅ときどき、並走する人がいても、前進するのは自分自身であるという覚悟がある

 「ずっと前だけを見て走り続けてる感じ。今しか見てないから、過去の記憶も少ないし、未来を夢見ることもない(笑)。でも、子供の頃って、みんなそうじゃなかった?大人になると人生を振り返ったり、記念日を設けて祝ったり、想い出にひたるようになるの、なんでだろうね?」


 たん、人が頼るのは人だけではないつらい時に、甘い想い出や昔の栄光に支えられることもあるはず

 「でもね、想い出に依存して生きていけるほど物ごとは簡単じゃないと思う。疲れるたびに立ち止まって、心身をデトックスしたいとか、人生をリセットしたいっていう大人も多いけど、その願望もオレにはないな。生きていれば、失敗も後悔も増えるし、毒はたまっていく。でも、その毒と一緒に、いいものだってたまってるはずだから。それを全部まとめてリセットしちゃうのはもったいないよ。それに、もし大失敗して何かを失ったとしても、そこから立て直すのが面白いんじゃない?オレが今、やってるゲームもそう。昨日、せっかくためたポイントを一気になくしちゃったんだけど、挽回する作戦を練るのが楽しくって(笑)」


 ゲームで体得した知惠と哲学は、今日も現実の一途かされている

 「たぶん、生きてるなかで、どんな仕事や人間関係も、すごくいい時期とすごく悪い時期は短くて、結果、ほぽ等分だと思うんだよね。人生はそれ以外の”普通の日”がほとんどだから。そう思えれば、悪い時期があっても簡単にリセットせず、立て直すことを楽しめるはずだよ」


自力で生きなきゃならない環境で育ったから、

人に依存しないし、過去の栄光にも頼らない。

ひとりでも、今だけに集中して前に進める——


Kazunari Ninomiya

1983年6月17日生まれ、東京都出身。嵐のNEWシングル『Sakura』が絶賛発売中。MCを務めるバラエティ番組『ニノさん』(日本テレビ系・日曜12:45〜)が好評放送中。今月もゲームに夢中なニノ。「このゲームは、仲間になれる人数が決まってるの。だから、先々まで協力しあえる相手かどうかよく考えて、つきあう人を厳選するのが面白い。なんか、すごく現期的でしょ(笑)」






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