草丛里的蝈蝈

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二宮和也のIt「一途」第58回 愛を伝える

MORE 2013年10月号

愛を伝える

これまで歩んできた一途も、心に宿る

一途な想いも、深く複雑だからこそ、

言葉にすることをためらってしまう。

二宮和也ならではの愛の伝達手段とは。


取材・文/芳麗 撮影/江森康之

ヘア&メイク/服部幸雄 スタイリスト/伊賀大介(band)


"大好き"って何度も言葉で言うよりも、

一緒にいることで心地よさを増やしてくれる。

存在と行動だけで愛が示せる女性は素敵だと思う


🌸~

 撮影中、どこか遠くを見ているようで、意識はレンズに向かっている。真剣な会話よりも、何気ない雑談の中に意志を示していたりする。ニノの”伝え方”は、いつも吹く風や流れる雲のようにさりげない。

 「誰かに何かを伝えるって難しいよね。言葉は特にそう。その意味や重みを知れば知るほど言葉にすることが怖くなる。だから、オレは大切な気持ちとか事柄は言葉にしたくないし、ましてや残したくないんだと思う(笑)。手紙なんで番組で一度、メンバーに書いただけだし、普段のメールも用件くらい。逆も同じ。前に、共演した子役の子に手紙をもらった時はうれしかったけど、言葉というより行為がうれしかった。仕事であろうとプライベートであろうと、伝える言葉にも伝えられる言葉にも重きをおいてないし、もらう言葉に一喜一憂したりしないんだよね」


🌸~

 言葉に頼りすさた表現が好みではないのだとも言う

 「言葉って可能性を限定するし、受け手の想像力を阻む危険性があるでしょ。仮に、ひとつの作品の中にいろいろな仕掛けをつくったとして、その"答え"を安易に口にしたくない。受け手の考える楽しみを奪っちゃうだけだもん。時を経て、もう一度楽しんでもらうために種明かしすることはあるけど。何ごとも先に答えを知ってわかったつもりになっちゃうんじゃないかな。人間だってそうだよね。言葉でその人を伝えるって難しい。自分はこんな人間です、って言葉でまとめるメリットなんてないんじゃないかなぁ?」


🌸~

男は対物で女は対人が好き、だから、わかりあえない(笑)

 「想いを言葉にしたくないのは、オレに限らず、男全体の特性だと思う。男はあんまり想いを言葉にしないし、おしゃべりの必要性を感じない生き物なんだよね。女の子は逆に、おしゃべりが必要な生き物でしょう(笑)。だから、男は対物、女は対人に向いてる。ほら、料理人とかシェフって男が多いけど、同じ分野でも料理教室の先生は女性が多い。それって、前者は食材っていう語らないモノと向き合うのが仕事だけど、後者は"人に教える"こと、コミュニケーションをとることが仕事だからじゃないかな。男と女っていう生き物の特性がよく出てるよね(笑)。だから、恋愛においても女性は言葉を駆使して想いを共有したいんだなぁって。わかってはいるけど、苦手(笑)」


🌸~

 ニノは、言葉にしない表現にこそ、愛を感じている。

 「男って、つきあってる女の子がいつの間にか、自分が散らかしたモノを片付けてくれてるとか、テーブルに花が飾られていたとか。そういうほうに、ちゃんとこっちを向いてくれてるって感じるもんだよね。"大好き"って何回も書かれたメールとかもらうよりも、ぐっとくる。言葉で愛を伝えてくれる人って、まっすぐだし、そこにウソはないと思うんだ。でも、"彼が好き"なだけ。その感情でいるのが好きなんだなって思っちゃう。彼が好きだからこそ、こうしたら喜んでくれるんじゃないかなと思って動いてくれる人に、オレは愛を感じるなぁ。つきあっても、それまでの生活と何も変わらないんじゃ、一緒にいる意味がない。見返りを求めるのはどうかと思うけど、自分の存在と行動だけで愛が示せる女性は素晴らしい。そういう女性には惹かれるし、モテるとも思う。でも、もしまれに実在したとしても、きっと手に入らないよね。だってすでに誰かのものだろうからさ。人気物件みたいなモンで、あき待ちしたって、あかないよ(笑)」


🌸~

 では、二宮和也自身の"愛の伝え方"はどうだろう。

 「当然、言葉にはしないし、わかりやすい行動もとらない。だって、別に相手に気づかれなくてもいいんだもん(笑)。強く表現するよりも、表現を控える方が性に合ってるんだよね。たとえば、オレが友達の誕生日に10万円使う人だとして、それを毎年もらい続けるのって、相手はつらくないかな? 『僕って10万円を使う人間なんです』っていう主張のほうが印象に残るというか(笑)。伝えようとして、相手の重荷になったら意味ないじゃん。それなら、同じ10万円でも1日ではなく、1年間かけて少しずつその人のために使いたい。それなら、もらう相手はたぶん気づかないし、負担にもならない。そっちのほうが自分の好みだしね。無理に想いを伝えようとは思わないし、伝わらなくてもいい」


🌸~

 思いやりの出どころが深い。でも、伝わらないって寂しくはない?

 「別に寂しくないよ(笑)。でも、伝わっていてもいなくても、友達は増えないし減らないし、仕事場で嫌われているわけでもないから、たぶん、そういうのは、なんとなく伝わってるんじゃないかな……」


🌸~

Kazunari Ninomiya

1983年6月17日、東京都生まれ。言葉がテーマだった今月の『lt 一途』。メールに関しても、さほど積極的ではない樣子。「何かの作品に関わってる時lこ、監督やプロデューサーとメールしたりはするよ。でも、あくまでも確認事項だけ。大事なことは電信で話す。相手の反応や会話のニュアンスが大事だからねJ








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